- 2020年2月17日追記
東京マラソン2020は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一般ランナーの出走取りやめを発表しました。
参加料及びチャリティ寄付金は返金はありません。
また、来年改めて参加料を支払うことで来年の出走権を付与するとしています。
マラソン大会って中止でも参加費の返金がないのはなぜ?
そんな疑問にお答えします。
わたくしヨージーはフルマラソンを楽しみにしていますが、中止の時の対応はいつも不思議でした。
他のイベントはチケットの払い戻しとかあるのにね
よく考えると、マラソン界の闇が見えてきた気がします…。
大会の裏側をちょっと覗いてみましょう!
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横浜マラソン2017を振り返る
マラソン大会が中止になった場合の返金問題が大きくクローズアップされたのは、2017年の横浜マラソンでした。
このときは台風22号が接近していたため、前日の夕方に大会の中止が発表されましたが、その後の対応が注目されました。
特に大きな物議を呼んだのは参加費が返金されないことでした。
横浜マラソンの参加費は15,000円と他の大会と比べても高額なうえに、同日は他にも水戸や富山でマラソン大会が予定されており、他の大会は予定通り開催されたため余計に不満が爆発したのです。(実際に大会を中止した方がよかったのか開催してもよかったのかは結果論ですが)
金返せーーー!
しかも事前の参加要領には大会が中止になった場合の返金について何も記載がなかったのです。
主催者もこれはお粗末だよね!
中止を想定していなかったとしか思えない…
結局、翌2018年2月に大会側は収支報告を発表し、参加費はすでに事前の準備に充てていたので返金できないと報告して一応の決着を見ました。(収支報告はコチラ)
でもここで疑問が浮かびます。
他のスポーツやアーティストのライブが中止になった時って返金あるよね?と…。
2019年台風19号の時はどうだった?
2019年の10月には台風19号が接近し、各所に大きな被害が出ました。
鉄道が計画運休をしたことで、多くのイベントが中止なったのは記憶に新しいところですが、中止後の対応はどうだったのでしょうか?
ラグビーワールドカップの場合
日本で初開催されたラグビーワールドカップは10月12日のイングランド対フランス(横浜)とニュージーランド対イタリア(愛知)、13日のカナダ対ナミビア(釜石)が中止になりました。
その後の対応は、チケットの全額払い戻しでした。
イングランド-フランス(日産スタジアム)と、ニュージーランド-イタリア(豊田スタジアム)のチケット代金は、大会組織委員会から全額が払い戻しとなる。
https://www.sankei.com/sports/news/191010/spo1910100035-n1.html
(追記:追ってカナダ対ナミビアも同様の対応がとられています)
会場費や警備費、当日のフードやドリンクの準備などはすべて完了しているはずですよね?
なぜ返金できるのかは、次のように報道されています。
2試合のキャンセルによって単純計算で、20億円近い損失が出ることが想定される。ただ「中止になっても一定割合はカバーされる」(組織委)。ここで頼れるのは「興行中止保険」という存在だ。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/101100764/
つまり、興行中止保険のおかげでチケット代を返金しても損失をカバーできたわけです。
まさに、いざというときの保険ですね。
バックストリートボーイズの場合
台風19号の接近に伴い、さいたまスーパーアリーナで開催される予定だった人気バンド「バックストリートボーイズ」のライブも中止になりました。
公式サイトには「払い戻しをさせて頂きます」と記載があります。
これも当然事前に費用は発生していますが、返金できるのは興行中止保険のおかげです。
マラソン大会は興行中止保険に入っていない?
なぜマラソン大会ではラグビーワールドカップやアーティストのライブと同じ対応ができないのでしょうか?
同じく台風19号で気になる事例があるので紹介します。
東北・みやぎ復興マラソン2019の場合
「東北・みやぎ復興マラソン2019」を例を見てみます。
大会日は10月13日、3日前の10日に中止を決定します。
15日には「今後の対応について」という発表がありました。
記載の通り、申込規約に自然災害の場合は返金しない旨が書いてあります。
でも興行保険に入っていれば、他のイベントと同じように返金できるのでは…?
他の大会を見てみましょう。
さのマラソン大会の場合
栃木県佐野市で開催予定だった「第15回さのマラソン大会」も中止が決定しましたが、他とは少し経緯が違います。
佐野マラソンの開催日は12月8日ですが、佐野市内で台風の被害が出ており10月18日に中止を決定します。
申込要領には他の大会と同じく「自然災害の場合による中止は返金しない」と書かれています。
ところが、11月14日に次のようなお知らせが発表されます。
返金してくれるの?ラッキー!!
まさかの返金です。要領では返金しないと言ってたのに神対応。
中止決定から本番までの日数の違いが影響?
時系列で比較するとこんな感じです。
大会 | 大会予定日 | 中止決定日 | 本番までの日数 |
東北・みやぎ復興マラソン | 10月13日 | 10月10日 | 3日 |
さのマラソン | 12月15日 | 10月18日 | 58日 |
さのマラソンは返金できて、東北・みやぎ復興マラソンが返金できない理由は2つしか考えられません。
- さのマラソンは興行中止保険に加入していた。
- 本番まで日数の余裕があったので事前の準備の支払い前あるいはキャンセルができた。
ただし、興行中止保険に加入していたのなら、申込要領に自然災害の場合は返金しないことを書くのは不自然です。
すると後者の理由が可能性としては高い気がします。
本当のことは内部の人しかわからないけど!
興行中止保険に入って!
興行中止保険は各損害保険会社から発売されています。
ぜひ、大会主催者には加入してほしいし、なぜ加入しないのかが全く分かりません。
(実は過去にウルトラランナーの岩本能史さんがTwitterで「本当は興行中止保険入ってるんだよね。業界の闇だよね」と発言しています。そのツイートは削除済み…本当に闇だ…)
マラソン大会のメインは10月~11月と2月~3月です。台風と大雪の重なる時期ですよね。
実際に福島のいわき市で開催される「いわきサンシャインマラソン」は2014年と2019年に大雪のために中止となっています。もちろん返金はありません。
参加料が1,000円上がったとしても、返金が保障がされている大会の方がいいと思うのです。
マラソン大会の闇ですね!