がん保険が無料?カード会社から案内される保険のカラクリは?入るべき?

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無料でがん保険に入れるなんて信じていいの?

無料で保険に入れる話なんてどう考えてもおかしいですよね。

先日、わが家が加入しているケーブル会社のJ-COMから「がんの補償無料贈呈」なるお知らせが郵送されてきました。

保険の内容はこんな感じ。

  1. がんと診断されたら3万円
  2. 保険の契約は2年間

ただし、何もせずに補償がもらえるわけではありません。

同封の申込書を返送して初めて補償が受けられます。

このような無料の保険の案内はケーブルテレビに限らず、特にカード会社で多く実施しています。

それ以外にも会員制度のあるサービスであれば、どのような業態でも行われています。

ところで、J-COMは保険会社ではありません。

ですから、がんにかかったときに支払われる30,000円もJ-COMが払うわけではありません。

払うのは保険会社です。

細かく見るとこんな記載がありました。

  1. 【団体契約者】株式会社ジェイ・コム埼玉・東日本(以下J-COM埼玉)
  2. 【取扱代理店】株式会社ジュピターテレコム(J-COM埼玉の親会社、以下J-COM)
  3. 【引受保険会社】チューリッヒ保険会社

つまり、子会社のジェイコム埼玉が自身の会員に案内して、親会社のジェイコムが取りまとめて、チューリッヒと契約する形です。

おそらく、東京の人にはジェイコム東京から、他にも各社からそれぞれ送られている思われます。

簡単に図にするとこんな感じ。

流れはわかったとして、なんで無料のがん保険が成り立つのかは解決しません。

考えてみましょう。

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無料で保険に入れる理由

タダなんて怪しくない?入っていいの?

怪しいですね。

無料とはいえ、「保険」である以上、保険料が必要です。

でも無料ですよね。

誰が払っているのでしょうか?

保険料はだれが払っている?

本来は契約者であるJ-COM埼玉が払うべきものです。

個人的に保険に入る場合は、保険料は契約者が払うのは当然です。

このケースも同じで、保険料はJ-COM埼玉が払っています。

でも私たちは保険料を払っていないから、J-COMが私たちのためにサービスで払ってくれてるの?

そんなわけありません。

実態は、大きく分けて2つ。

  1. 保険会社が立て替える
  2. マーケティング会社が立て替える

1つ目の保険会社が立て替えるは、なぜそんなことするの?と思うかもしれませんが、無料の補償はあくまで2年限定です。

となると3年目以降はどうなるのか。

保険会社から売り込みの電話が入ってきます。

保険が切れるので継続しませんか?

そして、もう一言。

ここから先は有料です。

もちろん有料の保険に入る入らないは個人の自由ですが、3年目以降の見込み客を今のうちに青田刈りしておこうという考え方です。

がんにかかっても払うのはわずか3万円です。

しかも、これらの案内は比較的若年層がんのリスクはまだ低い方に送っています。

なので、支払いはほとんどないと判断しているのでしょう。

ある意味賢いやり方です。

2つ目のマーケティング会社負担はややこしいですが、要は情報が欲しいという観点で支払うものです。

顧客の購買動向、性別や年齢帯、職業などそれぞれのセグメントのデータが欲しい、そのために保険会社と提携しているマーケティング会社が経費と割り切って支払うパターンです。

どちらも、我々一般顧客としては、ただで補償がもらえるので悪い話ではありませんが、それなりに自分の情報がデータとして取り扱われることは覚悟する必要があります。

保険料を立て替えてもいいの?

実際には保険会社が保険料を立て替えることは保険業法で禁止されています。

そのため、協力金など別な名目で支払っています

お金の名目は違っても、1万円は1万円の価値がありますからね。

ただで保険が成り立つ理由がだいたい理解できたのではないでしょうか?

無料の保険にみんな加入しているの?

タダだから別に入ってもいいのかな。みんなどうしているの?

タダなんだから入ってもいいかな。そもそも周りはどうしているのかな。

そんな疑問を抱くのも当然。

実際にどのくらいのレスポンスがあるのかは、企業秘密ですから、保険会社は開示するわけはありません。

ただ、個人的に保険会社の方と話したときに聞いた話では、無料保険の加入率が約0.7%と聞きました。

統計的にも、およそ妥当な数字だと思います。

そして、無料期間が終わる2年間経過後に有料の保険を案内されて継続する人は約10%だそうです。

つまり、10万人に案内するとこんな感じ。

  1. 10万人に案内
  2. 700人が無料のがん保険に加入
  3. 70人が2年後に有料のがん保険を継続

はたして、プロモーションとして意味があるのか、ちょっと疑問ではあります。

保険の案内をするために保険会社に個人情報を渡してる?

僕に案内を送るために保険会社に個人情報が洩れてるんじゃない?

同意なく個人情報を第三者に渡すことは禁じられています。

J-COM埼玉のプライバシーポリシーにも明確に書かれています。

当社は、お客さまのご承諾がない限り登録された個人情報を第三者に提供いたしません。当社以外の企業・団体からのお客さまに有益であると思われる情報のお届けを代行する場合にも、お客さまのご承諾がない限り個人情報をそうした企業・団体に提供いたしません。

https://group-companies.jcom.co.jp/saitama/privacy.html

ただし、保険料を実質保険会社が負担する以上、保険会社としてはレスポンスが高いと見込める会員に案内を送ってほしいはずです。

なので個人情報が特定できない形で性別、年齢帯、職業、購買行動などでセグメントをかけて「この人たちに送ってください」としています。

もちろん、実際に個人情報が保険会社にわたるのは、保険に加入したときです。
だから、案内の差出もあくまでジェイコムなんです。


発送段階で○○に送ったということをチューリッヒが把握したら完全にアウトです

無料のがん保険に入っていいの?【まとめ】

無料保険には入っていいか?というより入るべきか?

3万円とはいえ、無料でもらえるならば損はないと思います。

もちろん、3年目以降に有料保険の案内が来るので、それを面倒だと思うのであれば今のうちに入るのはやめておきましょう。

加入すれば個人情報が保険会社にわたるのも事実ですが、それは普通の保険も同じこと。

金融庁の監督のもとで事業を行っている保険会社が無茶苦茶な個人情報の取り扱いをすることはあまり想像できません。

そんなこと行えば一発で処分を食らいますから。

だから、個人情報の観点ではそこまで神経質にならなくてもよいと思います。

もちろん、すでに自分で十分に保険に入っている人には関係のない話です。

余計なことで悩むくらいなら、今のうちにしっかり保険を考えておくのもありですね!