マネードクターってなに?
先日のこと、地下鉄丸ノ内線に乗っていた時になんとなく目に飛び込んできた広告に「マネードクター」という名前が飛び込んできました。
さらには「人生100年時代のお金をFPと考える」とのこと。
先日の老後2000万円問題や、出生数90万人割れなど、将来の年金や社会保障に不信感が広がっている中で、自助努力で老後を守ることは大切だと思います。
特に、日本においてはFP(ファイナンシャルプランナー)のステータスが低いし、マネーリテラシーも低い。
ましてやお金の話をすると卑しいみたいな風潮があるので、もっとお金を積極的に考えようとすることはとても大切だと思い、いいサービスじゃないか!と一瞬思いました。
お金の話って、実際しにくいもんね。どこにしていいかもわからないし。
まさに「お金のお医者さん!」
自分の体調が悪ければお医者さんに診てもらって薬をもらう。
同じように、将来の不安があればFP(お医者さん)に診てもらい(現状の収支状況や将来のマネープラン)、薬をもらう(解決策を提示してもらう)。
ところが、広告右下の1文に「ん!?」と引っかかりました。
「募集代理店:FPパートナー」
そもそもFPパートナーとは何か。
何のことはない、保険の代理店です。もっというなら、「保険のビュッフェ」です。
「保険のビュッフェ」という名前は、聞いたことある方もいるかもしれません。
当時は、かなりの広告費を投下してテレビCMを打っていました。
例えばコチラ
マネードクターの正体
「保険のビュッフェ」とは、元々は保険のビュッフェ株式会社として「保険相談無料+相談するとギフト券をプレゼント!」という派手なキャンペーンを展開して、かなり業界を騒がせた存在です。
では、相談無料なうえにギフト券もプレゼントしてどうやって事業を成り立たせるのか、それは
保険相談に申し込んだお客さん(見込み客)の情報を保険の販売員に1件いくらという形で売っていたのです。
ちなみに、どのような販売員に売っていたかというと、多くはFPパートナーの販売員に売っていたのです。ここでFPパートナーの名前が出てきましたね。そして、保険のビュッフェ株式会社とFPパートナーはグループ会社です。
それって、マッチポンプやないか!!
ホント、それです(笑)
でも、問題はここから。
情報を買った販売員も必死です。紹介されたお客さんと会っても、本当に相談だけ受けて帰られたら、一円も回収できません。では、どう回収するかと言えば、保険を売って手数料を得るのです。
その後、金融庁から規制が入り、過度なギフト券キャンペーンができなくなってしまいます。
【重要なお知らせ】換金性の高い金券・ポイント等を用いたプレゼントキャンペーン活動を自粛
2017年4月6日以降のお申し込みについては、従来行ってまいりました換金性の高い商品券・ポイント・ガイドラインの範囲を超えた物品のプレゼントを取りやめることといたしましたのでご了承ください。
(出典:株式会社FPパートナーホームページ)
これまでは集客を担当する株式会社保険のビュッフェと保険販売を担当するFPパートナーで役割分担をしていましたが、その後両社は合併、以降は「保険のビュッフェ」というブランド名を使いながら運営はFPパートナーが行う形でした。
また、ギフト券キャンペーンは終わりましたが、その後もお肉やお米などさまざまな物品を使って集客を図っていました。
結局、ギフト券がモノに代わっただけで実態は同じだね。
別に、どのような集客方法を図ろうが違法でなければ問題ないと思いますが、実際に相談した方の感想はどうだったのか。
口コミサイトを見るとかなり辛辣な意見が見られます。
要望に答えてくれず、とにかく終身保険(積立)を勧められる・・・
次に会うときには約束を守らない。
周りにやめとけって言いたいレベル
提案を断ったら公然と「あなたはおかしい」と
(出典: https://minhyo.jp/hoken-buffet )
なかなか厳しい評価ですね。もちろん、すべての相談が同じではないと思いますし、FPの当たりはずれもあると思いますが、このような感想を持った方がいるのも事実です。
ところで、「マネードクター」がこんなにも大量にCMを打っているので、「保険のビュッフェ」はどうなったの?と気になって思って検索してみました。
すると・・・、そのまま「マネードクター」に遷移しました(笑)
完全にブランド名の変更を行っているようです。
[株式会社FPパートナー]
(出典: https://www.jiji.com/jc/article?k=000000064.000015281&g=prt )
無料FP相談サービスを運営する株式会社FPパートナー(本社:東京都文京区 代表取締役:黒木勉)は、下記の通り、「保険のビュッフェ」から『マネードクター』へブランド名の変更をいたします。
以上のことからも、やっぱり実態は保険のビュッフェと同じだと思われます。
それにしても、あれだけ広告費を費やしたビュッフェをいとも簡単に切り捨てるとは大胆というか、ビュッフェの名前ではやっていけないと判断したのか・・・。
真相はわかりませんが、基本的にやることは変わらないのではないでしょうか。
さいごに
さいごに、これから「マネードクター」に相談をお願いしようと思う方へ。
絶対に保険の勧誘がされます。こればかりは、仕方ありません。相談料無料で相談だけで終わっては食べていけませんので。
もちろんその保険が良ければ入っていいし、いらないと思えば断ればいいだけです。
ただし、そこまで強引な勧誘は無いと思います。
でも、保険の勧誘が嫌だ、単にマネープランの相談をしたいということであればマネードクターを使うべきではありません。
お互いの意識が全く違うんですもん。
そもそも、相談料無料の時点で純粋なマネー相談って無理なんですよね。
ボランティアじゃないんですから。
タダより高い物はないってホントだね!
やはりFPの社会的ステータスが上がって、弁護士に相談料を払うのと同じように、FPに相談料を払うスタイルが普及しないと無理でしょうね・・・。