はじめに
いよいよフルマラソン当日を迎えた朝、緊張すると同時にこれから長い道のりを走りきるためにはしっかりと栄養を取らなければなりません。
普段通りの朝食でいいのか、他に何か食べたほうがいいのか、またスタートの何時間前までに食べればいいのかなど、気になる点はたくさんありますよね?
特にフルマラソン初心者の方は不安も大きいと思います。
実は初心者こそ、食事は重要です。
なぜならフルマラソンを走りきるためのスタミナは、日ごろの練習だけでなく当日の食事のとり方に大きく影響するからです。
トップランナーのような練習量を積んでいれば多少食事が乱れてもごまかせるかもしれませんが、初心者の方が食事の影響度が大きいのです。
ここでは当日朝の過ごし方と合わせて、レース中の補給法もお伝えしますね!
朝食べていいもの、ダメなもの
フルマラソン当日の朝は、これから42.195キロを走りきるために必要な エネルギーをとる必要があります。
具体的に必要となる栄養素は、体を動かすために必要なエネルギーである糖質とビタミンB1です。
糖質は炭水化物が分解されたものです。炭水化物が多めのものでイメージするのはお米やパン、パスタですよね。
王道はおにぎりです。お餅のほうを好む人もいますが、お餅は普段食べ慣れてなかったりするともたれやすいので注意してください。
ビタミンB1はバナナが最適ですね。
100グラム当たりの含有量で比較すれば豚肉やウナギの方が多いのですが、当日朝に食べるにはちょっと重いですよね。
なのでスポーツの前にバナナを食べるイメージがありますが、理にかなっていると思いますよ。
他の果物と比べてもバナナは含有量が高いし、入手しやすいという点でも好都合です。
都市型のフルマラソンで遠征する場合、どうしても朝食はコンビニで済ませるケースが多くなりますが、おにぎりとバナナはコンビニにも置いてあるので安心です。
おにぎりの具はお好みでいいと思いますが、不安があれば具無しにしましょう。
一方で食べてはいけないものは何でしょうか? おにぎりの例でも五穀米系のおにぎりは消化に時間がかかるので避けてください。
パスタも油分が多めなので消化に少し時間がかかりるため、あまり好ましくありません。
前日夜の食事に炭水化物を大目にとるためならパスタも大丈夫ですが。
消化に時間のかかる繊維質のものや、脂分の多いものもやめましょう。
たとえばハンバーガーなどはパンが含まれているとはいえ論外ですね・・・
スタート何時間前に食べる?
朝食を食べる時間は気にする必要があるのでしょうか?
よく聞くのは「2時間前」ではないですか?なんとなく2時間というイメージを持っている人もいると思います。
スタート直前に食べると走ってるときにわき腹が痛くなるケースがあります。
学生の時に給食を食べた後にすぐ激しい運動するとわき腹が痛くなった経験は ありませんか?
でも、一般的な市民ランナーは、スタート2時間前にこだわらなくていいと思います。
むしろスタート時間から逆算するのではなく、ゴール時間から逆算したほうがいいという考えもあります。
市民ランナーでありながら100キロのウルトラマラソンや、246キロもあるスパルタンマラソンを完走したこともある岩本能史さんは、著書「限界突破マラソン練習帳」の中で以下のように述べています。
僕の長年の持論は「マラソンは食べるスポーツ」。ガス欠を防ぐために、予定ゴール時刻の5時間前まで食べ続けます。サブ4狙いならスタート時刻の1時間前、サブ3狙いなら同じく2時間前までです。
限界突破マラソン練習帳177ページ
マラソンで怖いのはエネルギー切れにより体が動かなくなることです。
そのためにぎりぎりまで食べておいた方がいいということです。
そんなに食べてすぐに走っても大丈夫なの?と思うかもしれませんが、消化が良くやわらかいものであれば、猛ダッシュをしない限り腹痛は起きにくいです。
要は食べるものに気を付ければ大丈夫です。
ちなみにわたくしyozyの場合の当日朝はこんな感じです。
スタートから逆算して
・3時間前 お餅2個
・2時間前 おにぎり1個
・1時間半前 おにぎり1個
・1時間前 バナナ1本
・30分前 スポーツジェル
とにかく直前までおなかを貯めておいて、走りながら貯めたエネルギーを使っていく。
この食事方法を採用してから、後半でスタミナ切れになることが減りましたよ!
レース中も食べ続ける!
マラソン日本代表のようなトップランナーは2時間台前半でゴールしますが、市民ランナーの多くは4時間以上かかります。
2時間体を動かし続けるのと、4時間動かし続けるのでは走りの強度の差はありますが、体への影響は違います。
2時間ならガス欠前にゴールできても、4時間ではガス欠してしまうかもしれません。
レース前の食事も大事ですが、フルマラソンの大会には途中でバナナやパンなどのエイドがあるのもそのためです。
マラソン日本代表がエイドで食べているのを見たことないと思います。ドリンクだけですよね。
市民ランナーのトップクラスであるサブ3ランナーでも食べてる人はほとんどいないですね。
4時間以上かかる市民ランナーはしっかりとエイドでも補給をしましょう。
ただ怖いのが、初心者ランナーが制限時間ギリギリでゴールを目指す場合、エイドの食べ物がすべて売り切れてしまうことです。実際にあり得ます。
大会側もなるべくフードロスを出したくないので、最後までエイドが十分に残っているケースのほうが少ないです。
ただでさえ、走りながらエネルギー補給をしないといけないのに、補給ができないのは致命的です。
初心者ほどエイドがなくても走れるように補給食をもって走りましょう。
具体的にはスポーツジェルになります。
例えば私は常にメダリストというジェルを持って走ります。
食べるタイミングは15キロ、25キロ、35キロです。
これひとつでバナナ1本分くらいのカロリーがあります。
エイドで十分に補給できれば問題ありませんが、1個250円程度で売ってるのでお守り代わりに持っておいて損はないですよ。
さいごに マラソンは食べるスポーツ
マラソンは果てしなく長い道のりです(笑)
でも挑戦する以上は笑顔でゴールしたいですよね。
リタイアする人の大半はスタミナが切れてもう走れない・・・という理由です。
練習不足やケガが原因でリタイアする人もいますが、多くはある程度練習を積んできたのに直前の食事のとり方を失敗してレース中のエネルギー補給も怠った挙句に、オーバーペースで走ってしまいガス欠になったケースです。
「マラソンは食べるスポーツ」
聞きなれないワードかもしれません。
食べたからと言って実力以上の成果が出るものではありません。
マラソンは基本的に実力以上の結果は出ません。
でも積み重ねたトレーニングによって身に着いた実力を100%発揮させるためには、食事はとても重要です。
ぜひ「食べる」を心に刻んでマラソンに挑んでみてはいかがでしょうか?